環境関連の方針・考え方
当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」を経営理念に定め、事業活動を通じて継続的に環境問題に取り組んでまいりました。また、「我々は、断熱技術の革新によりエネルギー総需要を削減し、地球温暖化防止対策と同時に、人々の健康で快適な生活を実現するために存在している」をビジョンとすることで、気候変動については重要な社会課題として認識しています。
当社は、温室効果ガス排出削減のための国際的な枠組み「パリ協定」、及び日本政府の「2050年カーボンニュートラル宣言」を支持しており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく開示に向け、2022年5月に、気候変動が事業に及ぼす影響の分析、対応策の検討を進めるべく「ESG委員会」を設置しています。
気候変動に伴うリスクと機会
気候変動に伴うリスクと機会には、政策及び法規制の強化、技術の進展、市場の変化など「移行リスク」に起因するものが考えられ、当社が世界的な脱炭素社会への移行に適応できなかった場合は、販売機会損失等により財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある半面、脱炭素化に向けた住宅・建築物の高気密・高断熱化を背景とした断熱材の急速な需要拡大による機会創出の可能性も考えられます。
また、急性的な異常気象や慢性的な気温上昇といった「物理リスク」に起因するものも考えられ、当社のサプライチェーンの分断、労働力への悪影響、様々なコスト増加等により財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
温室効果ガス排出の削減
当社のCO2排出量
(単位:t-CO2)
2022年 | 2023年 | |
---|---|---|
Scope1 | 1,410 | 967 |
Scope2 | 237 | 202 |
Scope3 | 235,532 | 206,115 |
(Category1) |
231,412 | 200,000 |
(Category2) |
506 | 1,291 |
(Category4) |
2,677 | 3,662 |
(Category5) |
346 | 622 |
(Category6) |
486 | 439 |
(Category7) |
106 | 101 |
- Scope1、2算定における注記
-
- 事業所併設の寮における燃料・電気の使用に伴う排出量を除いています。
- 2022年の算定に関して、排出係数を昨年の統合報告書で公開したものから更新しています。
- 2022年ではScope1に含めていた「協力会社への当社出向者が使用した燃料による排出量」は、2023年の算定においてはScope3のCategory1に含めています。
ウレタン端材をリサイクル「アクアブロー」
ウレタン端材のリサイクルとは
吹付け硬質ウレタンフォームの施工では、吹付け直後に柱や間柱に付着したウレタンを削り落とす、あるいは、吹付面の凹凸を平準化する目的で凸状の部分を削り落とすといった仕上げを行います。削り落としたウレタンを端材と呼んでおり、平均的な戸建住宅の施工現場では大量の端材が発生します。ところが、このウレタン端材は産業廃棄物に定められているため、一般廃棄物処理場に持ち込むことはできません。
この問題を解決するために、当社では廃棄物処理法に関する特例制度「広域認定制度」を取得することで、全国の施工現場からウレタン端材の回収を行える仕組みを構築しました。回収したウレタン端材をブローイング断熱材(主に天井裏に敷き詰める断熱材)として再生し、環境に優しいアクアブローとして製品化しています。
ウレタン原料・原液の管理と産業廃棄物の削減
当社のアクアフォームシリーズ(硬質ウレタンフォーム)は、原料・原液が消防法によって定められた危険物、または政令で指定された可燃物に該当するため、貯蔵・保管する場合には数量に関する規制があります。当社は、当社および認定施工店が使用する原料・原液について、全国の営業所に相応の保管施設を設け、社内規定を整備して適切に管理しています。一方、施工現場で発生するウレタン端材は、前述の通り産業廃棄物として規定されているため、自社回収の仕組みを構築し、適切な管理を徹底しています。